土壌改良材“石灰”の役割と種類
園芸における「石灰」の役割とは… 雨や、植物の根から分泌される根酸によって、酸性になった土を矯正するための資材が石灰です。 植物によって好適pHが異なります。 植物にはそれぞれ酸性の土を好むもの、アルカリ性の土を好むものがあり、植物それぞれの生育に適した酸度(pH(ペーハー))を好適pHと言います。 多くの野菜類はpH6.0~6.5を好むと言われています。
●pHの目安と好適な作物例
pH4.5~5.5:スイカ・ジャガイモ 5.5-6.0:サツマイモ・パセリ・ダイコン・トウモロコシ 5.5-6.5:キュウリ・トマト・レタス・ニンジン・メロン 6.0-7.0:タマネギ・ゴボウ・トウガラシ・アスパラガス
●石灰の種類
園芸に使用される主な石灰は3種類、「消石灰」「苦土石灰」「有機石灰」 反応の強さや特長が異なります。 【消石灰】 ・反応:強い ・特長:アルカリが強いので土の消毒などにも使われます。 施しすぎは生育障害などにもつながりますので、取り扱いには注意が必要。土の施した後は植え付けまで2~3週間は間を開ける。 【苦土石灰】 ・反応の強さ:普通 ・苦土(マグネシウム)を含みます。消石灰よりアルカリが穏やかなので、生育障害も起こりにくい。 【有機石灰】 ・反応の強さ:穏やか ・特長:反応が穏やかなので、施してすぐに植え付けを行っても生育障害が起こりにくく、使いやすい石灰です。カキガラやタマゴ殻を使ったもの等があります。ミネラルなどを多く含むので、土を固くせず、土壌改良効果も見込めます。
土の酸度を(酸度計などで)測り、必要量を施すことが基本です。 ・土壌の質にもよりますが、pHを1.0上げるのに必要な苦土石灰は約150~200gです。 ・粒状の石灰は粉状のものに比べ、反応が穏やかになりますが、風で飛散しにくく撒きやすいです。 ・石灰と肥料や堆肥などを混合すると反応してガスが出る場合がありますので間をあけて土に混ぜることが大切です。 【※注意】 直接手で触れたり、目に入ったりすると炎症を起こす場合があります。 保護メガネやマスク、手袋などの保護具をつけて作業を行ってください。